観た!

観客。

演劇

 「三人吉三」〜初シネマ歌舞伎

2016年11月、若い人に手をひかれ、「シネマ歌舞伎」というものを初めて観た。 結果を先に言うと、たいへんによかった。 歌舞伎とは別物の一ジャンルとして完成度高く楽しめた。 何年か前に「シネマ歌舞伎」というのを知ったのだが、「舞台より安く見られる…

中村勘三郎特別公演

まつもと市民劇場 2011年7月24日今頃書くけど、7月24日に松本に行ってきた。 23日も行けたけど、あえて24に。 病気から復帰する、でも通常の歌舞伎用の舞台ではなく、縁が深いとはいえ本拠地東京でもなく、2日だけという、まあ復帰に向けたお…

団十郎という役者

当代市川団十郎である。 海老蔵の負傷に関する会見を見ていて、舞台の彼の特質そのままだなあと思った。 komugiko00的に最高の団十郎は、「吃又」である。 のろまで誠実。 ほかの誰の吃又よりも、団十郎のほかのどの役よりも、その役柄が際立った舞台だった…

「松島屋の与兵衛兵がええんや」

と、おじいちゃんが言った。いや、『ゲゲゲの女房』の、しげるの父のせりふである。 「銀座に芝居を観に」いってきて、『女殺油地獄』の話をしている場面である。 うん、と思わずテレビに返事した。 松島屋とは片岡仁左衛門だろう。 時代的に先代だろうな。 …

義経千本桜

8月19日、新橋演舞場で見てきた。鳥居前・道行初音旅・川連法眼館 の3場。 以前から、歌舞伎を見たことがない友人に、一度観てみたいから連れてって、と言われていたのだ。 うーむ。予備知識がほとんどなく、初めて観る人で、もしかしたらこれが一生に一…

二色空

7月16日朝6時過ぎの空。 梅雨と夏とのせめぎあい? 子供のころ、学校の図書室で読んだ本があった。今思えば『国性爺合戦』の子供向けのもの。渋い。 面白く読んだが、印象に残っている場面はひとつだけ。 日本から中国に船で渡るときだ。 海の水が、青か…

「佐倉義民傳」

シアター・コクーン 2010.6.10 18:00開演 おもしろうて、最初から最後までズッシリと凄い。 コクーン歌舞伎の今年の演目を見たとき、またずいぶんジミなのを持ってきたな、と思った。 ちょうど歌舞伎を見たことがない友人に一度見せようと思っていたこともあ…

弁天小僧

昨日の「情熱大陸」で、七世尾上菊五郎をやっていた。 菊五郎といえば弁天小僧で、もちろんその話題は一つの芯になっていた。 komugiko00は菊五郎の弁天小僧は3回ぐらい見たが、近年は見ていなかった。 テレビの画面で例の「知らざあ言ってきかせやしょう」…

阿佐ヶ谷スパイダース『アンチクロックワイズ…』

『アンチクロックワイズ・アンダーランド』 作・演出 長塚圭史 ひ〜さびさの観劇。 今回長塚出ないのか〜、とか思いながら軽い気持ちで観たら。 なるほど、こんな感じだから彼は内側にいないのか。 んっとね〜っ、正直言ってね〜っ、よくわかんな〜いっ。 わ…

観ました。

観たのに、よかったのに感想文かいてないもの並べておきます。 ◆小林賢太郎のソロライブ。半年前だな〜。 ◆山海塾。東京と松本で見た。 松本の市民芸術ホールと山海塾は、komugiko00的にはとても相性がよい。 またここでやってほしい。そしたら出向く。 ◆『M…

24時間ジーンズ

先日三軒茶屋付近を車で通過したとき、「24時間営業」の「JEANSMATE」の文字が目に飛び込んできた。 いや。ナイロン100℃の『ナイスエイジ』という芝居を思い出したのだ。時間旅行者が過去に干渉したために、いろいろな変化がおきてしまう。アメリカ大陸…

海老蔵

少し前のこと。海老蔵が、父であり名跡として格上の団十郎と競演するにあたって、二人で記者会見していた。 記者の一人が、海老蔵が競演についての意気込み的なことを聞いたあと、重ねてこう聞いた。 「受けて立つと?」 海老蔵は少しその記者を見つめ、半笑…

マルセル・マルソー

亡くなったそうだ。 マルソーの舞台を見たのは1回だけだ。 とても好みだったかというとそういうわけでもなかった。私の「パントマイム」のイメージは、ジャン・ルイ・バロー演じる『天井桟敷の人々』の中のバチストであったので、なんかこう、肉付きよく化…

納涼歌舞伎『裏表先代萩』

八月の歌舞伎座は中村屋の月である。 もともと8月に歌舞伎は上演されなかった。 冷房のない江戸時代からそうだったわけだし、歌舞伎座を所有している松竹の歌劇団の公演があるのが習慣だった。だが、その松竹歌劇団が解散してしまう。 8月が空いた。 そこ…

三人吉三〜コクーン歌舞伎

今年はインプットを抑えてアウトプットに集中……とか年頭に言っていたくせに、展覧会過ぎたらいきなりインプット体制になってしまったが(^^; 年頭から万難を排して「インプットする」と決めていたラインナップがある。全部生のステージで、人間椅子単独・…

橋を渡ったら泣け:土田英夫作・生瀬勝久演出

当代の「名脇役」をそろえたキャスティング。それに惹かれてチケットを取ったが、そこはまちがいなかった。場所はシアターコクーン。 芝居が跳ねて、外に出るとき、後ろで若い男性とおぼしき声が連れに言っている声が聞こえた。 「オチがだめだったな。見所…

壽初春大歌舞伎 夜の部

五代目坂東玉三郎の『金閣寺』と十八代目中村勘三郎『鏡獅子』。これ以上の新春はない。彼らが年齢という宿命においても、脂が乗って衰えない今の時期であることを考えると、こういう新春は2度はないかもしれない。 『廓三番叟』 これは縁起物。じいさんた…

ナイロン100℃「ナイスエイジ」

初演から6年、太ったメンバーが多い(^^; 池谷のぶえは太ったほうが役柄がパワーアップした感じでよろしい。大倉孝二は今回のほうがパンツが細くてたわみ方が強調されてよろしい……って、とりあえずどうでもいいことから書いてみました。12月に見に行っ…

阿佐ヶ谷スパイダースPRESENTS 『イヌの日』

再演である。初演は見ていないので、パンフレットの記述から推察するしかないが。阿佐ヶ谷スパイダースらしく、楽しませながらえぐり、えぐりながら甘美な(?)作品である。 役者は全員名演。もともと巧い人を集めて、個性の顕った脚本・演出で、それぞれが…

SET『ナンバダ ワールド ダンシング』

劇団スーパー・エキセントリック・シアター 第44回本公演 於 東京芸術劇場 笑った、楽しかった、以上感想終わり! 言語はソレで十分な楽しさであったが、まあ、以下蛇足ってことで。 ※あらすじ書きます。 17人のプロダンサーをゲストに迎えての公演。そ…

松たか子きれい

松たか子については、komugko00、『メタルマクベス』で絶賛した。 そして、それをときどき思い返すにつけても、いい女優だなあと思う。同行の友人が繰り返し「やっぱり細いときれいだねえ」と言うので(^^; そのたびに思い出すわけである。でもねえ、「細…

中国京劇院「三国志〜諸葛孔明」

於 中野サンプラザ komugko00生涯3度目の京劇である。 ほんとうは3度目は数年前のはずだったのだが、SARSのため来日できず、チケット払い戻しに。京劇はよく知らないので、チケットもてきとーに取った。よく知らなくても「梅蘭芳」の名前は知っているので…

開放弦

2006.7.19 於パルコ劇場 ミーハーな動機で買ったチケット、ミーハーだけは満たされた。え? 大倉孝二が見たかったの。それがミーハー。 水野美紀もこないだの阿佐ヶ谷スパイダースでよかったし。犬山イヌコは間違いないし、ともかく役者はみんな魅力的だった…

山海塾

天窓を開けて入りくる白塗りの肩知っているこの場所はかの 砂 舞えども 水 揺るれども 人 動かず 人 動けずして 希求は浮けり 血のような紅すなわち血のダミー身につけて古木立ちている 景 独楽鼠のように動いて哭きながらあれよ紡ぐよ静寂 空白 漁(すなど…

メタルマクベス〜劇団☆新感線

――きれいはきたない ただし俺以外 クドカンのこの歌詞、最高。 ◆ 青山劇場に来るのは、2年前の「デーモン小暮の邦楽維新」以来かな……? そのときには思わなかったけど、中に入って、「ここも古い劇場の仲間入りをしたなあ」と思った。ツクリとか、いろいろ。…

五代目中村勘九郎 最後の「連獅子」

DVDを買った。 歌舞伎のDVDを買うのは初めて。普通の演劇以上に、生で見るのに比べてテレビ映像などの印象が平面的だからだ。もっと落差を感じるのは能だけど。この演目は、もう20年近く前、先代勘三郎の晩年に、勘三郎と勘九郎で演ったのを歌舞伎座…

「オセロー」 ロイヤル・シェークスピア・カンパニー

2004年の4月に観た芝居のことを今頃書く。 いや、当時長大な感想を書きかけていたのが、ファイルが壊れてくじけたままだったのだ。2年経ってもまだ印象的なことがあるので、記しておこうかと。http://www.horipro.co.jp/othello/ ロイヤル・シェークスピア…

東海道四谷怪談・南番

三月の終わり、なんかやたらに忙しい時期にわざわざ芝居を観に行った(何も今行かなくてもと思いつつ)(忙しいときこそ芝居は観なきゃ主義)。コクーン歌舞伎 東海道四谷怪談・南番 中村勘三郎×串田和美(演出)です。 以前、『夏祭浪花鑑』を観に行ったと…