観た!

観客。

SET『ナンバダ ワールド ダンシング』

劇団スーパー・エキセントリック・シアター 第44回本公演
於 東京芸術劇場


笑った、楽しかった、以上感想終わり!
言語はソレで十分な楽しさであったが、まあ、以下蛇足ってことで。

 ※あらすじ書きます。


17人のプロダンサーをゲストに迎えての公演。そう、テーマがダンスなんですな。
日本でヒップホップをやっている若者たちが主人公。だが、どうしてもテンポが早くなると、手足がいっしょに動く日本伝統の「なんば」の動きになってしまう。んで、ほんとうのヒップホップを見につけるために、そのルーツを探して旅に出る……的な話。
その若者の一人が田植え踊り宗家の跡継ぎで、父親が、ヒップホップを諦めさせるために夢の壊し屋を雇う。それが三宅裕司小倉久寛
二人の妨害にも関わらず、若者たちは諦めずにルーツを辿り、ついに自分たちの国と文化に誇りを持つことがダンスの原点だと気づく。
という。

まあ、このストーリーは、芝居の早い段階で読める。この芝居はその心理展開を観るためのものではない。
若者たちがルーツを探してダンスを辿っていくにつれ、そのダンスをたっぷり見せてくれる。そのとても巧いかっこいいダンスの合間に、三宅と小倉が出てきて、演じてるんだかアドリブなんだかわからない例のノリで、笑わせてくれる。そのくりかえしで大団円へ、というつくりである。

komugiko00はこの種のダンスをあまり見たことがないので、細かいことはわからんが、わりと前のほうの籍だったこともあって、迫力も感じられて楽しめた。
要所要所で見せ場のあるゲストたちのダンスは圧巻だったし! 特にHIDEBOHタップ。靴に仕掛けがしてあって、生のタップ音のほかに、増幅されてドラムのように響くようになっている、その音もよかった。ダンスバトルとか、(タモリがよくやっている)言葉をタップで表現などもすごいハイレベルの技術で笑いと感心が同時に来る。

三宅と小倉はすごいな、わかっちゃいるけど、最初に出てきただけですでにおかしかった。レゲエやヴードゥーのあたりなんてもう(^^!!
劇団員との呼吸も絶妙。特に野添義弘の呼吸の巧いこと。顔見るとやく役名どおり田吾作なのだが、おなか出してる衣装のときの腹筋のしまりが素敵なをぢさま。永田耕一の、体の柔らかさを生かした「立ったまま手をついて謝る」も単純だけと好き。
ほら、最近ラーメンズとかバナナマンとか抑えた感じの笑いばかり見ていたので、それとはちがう素朴な馬鹿笑いができただよ。


最後、日本の動きを取り入れたヒップホップをみんなで踊って大団円。
んーーーーーなにしろkomugiko00、ヒップホップ知らずで能・歌舞伎慣れしている客なので、ちょっと見方がずれているかも。それほど「和」と思わなかったんだよね。大団円だからたのしんだけど。
まあ(^^;大学の同級生で空手をやっていたやつがいたのだが。みんなで踊りに行くと、彼は空手の型で踊るのだが、それがえらいかっこよかった。「和風」が流行るずっと前のことだが、彼は和の「型」できれいに「洋」のリズムに乗ってたねえ。もちろんダンスのレベルはぜんぜん「うまい素人」だが、「和」度は高かった……なんてこと思い出しながら。ま、この芝居では、やりたいのはあくまでヒップホップのほうだから、この塩梅でいいんだけど。あ、だし、これはあくまで「芝居の舞台のためのダンス」だからね。彼ら本来のダンスのためのダンスならまたまったく違うだろう。
ちなみに、このとき三宅が太鼓を叩いていた。同行の友人は和太鼓をやっているので、「あそこもプロを呼んでほしかった」と言っていた。komugiko00は、「あれは座長のご愛嬌だから。途中で弾いてたギターだって、こなしているけどうまくないし(^^;」といったのだが、友人曰く「せっかくの大団円でダンスがもりあがっているところで、あの太鼓はないよ」……(^^;ん、もちろん正論であるが。


単純にいろんなダンスの紹介もおもしろかったし、楽しい夜でしたわ。
komugiko00@リクツ好き、でも、たまにはこういうのいいね。