観た!

観客。

彫刻の森美術館〜「アーツJクラフツ展」


彫刻の森は久しぶりだ。
今回は、イベントの「アーツJクラフツ展」の招待券をいただいたので、でかける。
このイベントは、「日本初の本物のクリエーターを選ぶ、公募展。技術を中心とした審査ではなく、作品性、芸術性が重視されます。ジュエリーやテキスタイルワーク、押し花、ラッピングワークなどが出品されます。」だそうである。
招待作家展と、公募展があった。


公募展の人形について書く。
komugiko00の好み全開で見た場合、惹かれたのは4つの作品。ま。例によって、静止した固体の「動き」がポイント。


まず2つ。好きだし、上手いと思ったもの。
○「みなも」牛窪奈央
二体一組で、非常によく構成された作品。それぞれのポーズ、その組み合わせ、腕の流れとドレスの流れ、そしてドレスの模様と髪の濃淡の渦巻き。それらがすべてあいまって、ひらがなで「みなも」している。緩やかで、安定していて、動きがあって、隙が無い。


○「球体関節仏像」 金子洋平
タイトルまんま。6本腕の立像。全身黒で、関節が赤。体には白で文様が記されている。
少し大きめだし、迫力がある。それに、「球体関節」という技法のこの使い方が魅力的だった。関節の両側が普通稼動部分だが、これは一報だけなので、動きは制限されているだろうが、なにしろ球体関節の6本腕というところでkomugiko00にはキちゃう。漆風のツヤのある黒と赤にもキちゃう。
(いずれ人間椅子のジャケットにいかがでしょう)



次に、komugiko00が創りたいものと、或る点で共通している2つ。
○「焔」 遠藤節子
歌舞伎である。「暫」かな?? 顔はのっぺらぼうだが、体の動きの表情で見せる。さらに、衣装の靡き方。一瞬の動きをデフォルメし、固着させる。

○「真夏の夜の夢(妖精)」 奈良由紀子
モチーフはタイトルどおり。どこが気に入ったかは「焔」と同じ。




このイベントを見た後は、おなじみ一般展示へ。
前も見たけど、いままでになく今回気に入ったのは、ピカソの闘牛の陶器の連作。陶器に浮き出させた線と塗りの感じが。


思うところあったのは、屋外展示の、「天をのぞく穴 my sky holl」井上武吉。 
なにも急ぐことも無かったのだが、わりと混んでいるときに入ってしまった。しかもうしろの家族連れの子供二人がすげー見たがって先へ先へ来るのを親が「待ちなさい」と言っているものだから、ちょっと気い使って急いでしまった。これ、こうやって見るもんじゃないんだよね。「my」なんだから、あそこに座ってじっくり見ないと。
案の定、最後の階段を上ってるときに、うしろからお父さんらしき人の「なんだこれ? つまんない。何の意味も無い」という声が聞こえてきた。そりゃまあでずにーらんどのほらあなのようなわけにはまいりませんがな、だんな(^^;
――これはさ、ほんとうは一人で、朝に夕に夏に冬に晴天に雨天に見るものだよね。
だからまあ、彫刻の森に来たら、必ず見る、というのを何度か続けていると、多少は良さもあろうというものだよ、子供達。




箱根彫刻の森美術館HP
http://www.hakone-oam.or.jp/