観た!

観客。

"A SOALIN'" : PPM


komugiko00は一人っ子である。母はクラシック好き、父はロシア民謡シャンソンが好き、祖父は朝はお経を上げ昼は謡曲を謡い、祖母は和服で「ワルツ」と称して適当な踊りを踊る、という音楽環境で育った。テレビの音楽番組は、『題名の無い音楽会』しか記憶に無い。他の環境と同じく、やや古風かもしれない。

兄弟はいなかったが、伯母たちが近くに住んでいて、そこに一回りぐらい年上のイトコたちがいた。
こう、年上のきょうだいから入手するようなイマドキの情報はそこから得ていたわけだで、音楽は彼ら所蔵のLPを聴いていたのだが、これも一回りも年上なので、おにいさんおねえさんの聞くもの(?)だった。

その、イトコの家で聴いた音楽の一つが、Peter, Paul & Mary だった。
男声二人女声一人のフォーク・トリオで、60年代のメッセージソングなど歌っていた人々の群れに属すると思われるが、美しいハーモニーが特徴だ。

初めて聴かされたのは、小学校低学年のときだったと思う。
当時は、音が軽快で歌詞がおとぎばなしな"Puff(The Magic Dragon)"とか、聞きなれない言語の"Over the Raimbow"が好きだった。
高校生ぐらいで聴きなおして、"500miles" "Cruel War"など、マリーののどをしみじみきかせる曲がいいなあと思った。


それからずっと聴くことも無かったのだが、昨年、ふと聞きたくなって、ベスト盤を購入した。
上記の曲のうち、"Puff"以外は今でも好きである。いや、"Puff"も嫌いなわけじゃないが、あれは子供のときのアイドル曲だった、でいいと思う。歌詞と微妙にシンクロしているが、「他の竜が見えるようになったのさ」と応えておこう。


で、オトナなkomugiko00が、このなかの1曲にはまりまくり、静かなブームが現在も続いているので、書いておこうと思う。
"A Soalin'"
この曲の記憶が無いのだ。イトコたちが持っていたLPに入っていなかったのか、当時の私の感性にまったく引っかからなかったのかは未確認。
アメリカのわらべ歌を、PPM調のハーモニーに編曲したものだそうで、歌詞はナンセンスで、リズムのよい短調
これもハーモニーが絶妙。
PPMのベスト盤だから、全曲ハーモニーが絶妙なのだが、これは絶妙中の絶品。
3人の声の流動的な綾織、さくさくしたリズムの上でうねるその繊細な網がまた自在な強弱で近づいたり遠のいたりする。
目をつぶって、ヘッドホンで、浸る、ほんの3分17秒。










ベスト・オブP.P&M

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