観た!

観客。

寺山修司記念館


青森からの帰りに三沢で途中下車。
寺山修司記念館について、前に行ったことがある人にこう聞いていた。
「記念館はふつうだけれども、そこに行くまでの道がいい」
ああ、なるほど。
「風土」は感じられる。


台風一過の晴天で風も適度。
心地よかった。



記念館の外に碑があるのだが、それが林の散歩道を抜けて、湖を望むところにあるのも、この「風土」という点でよかった。ただの「碑」って、見てもしょうがないよねセンスのkomugiko00としては。


となりに、郷土資料館があって、それも入った。
寺山の記念館とは大違いで古色蒼然とし、入場料も大人100円。すのこで靴脱いでスリッパに履き替える古式ゆかしい様式。入ってすぐに左を見ると、ラベルを張った透明衣装ケースの山。「見せる」気あんのか? ってあたりが、ある意味よい。中は、古いもののにおいのする、「郷土資料館」。貝塚・民具・神楽面など。動物の剥製は、生息している動物をしめしたものだろうが、それぞれのポーズは、かつて装飾として用いられていたことが察せられる。最近若いコが、「剥製」という言葉も知らず、「動物の死骸を生きているような形で飾ってあった」と、異様なものを見た興奮で報告してくれたことを思い出す。この「剥製」自体がすでに歴史だね、なんて思いながら。

記念館には複数の客がいたのに、こちらにはkomugiko00だけ。
記念館から一度出て、別の建物なんだよね。
でも……三沢を寺山の「風土」として位置づけたいなら、これ、つなげればよかったのに、と思った。
寺山は青森県ではほかに弘前・青森にもゆかりがあるのに、あえて三沢に記念館があるのは、彼の精神風土として名乗りを上げた、と言ってもいいでしょう? それなら。
……思い直した。この、時間を逆行したような施設こそ、「風土」のひとつなのだろう。
ま、あえて勝手な深読みだけど、そういう楽しみ方もあるなって。


駅からタクシーで来たのだが、運転手さんは「1時間ぐらいのものでしょう」と、記念館前で待っていてくれた。メーターは動いていなかった。「いつも止めて待ってますから」
んー、東京ではタクシーを1時間無報酬で待たせるなんて考えられん。先に言っておけばよかった。それともこれが土地柄だからいいのか?
帰りの運賃では、「おつりはいりません」をやったkomugiko00である。残念ながら200円に満たない額でしかなかったけど。

三沢からの電車の接続のタイミングを考えていなかったので、「待合室」で結構待つ。ま、これも旅行気分でよい。
ipod人間椅子を聴こうと思ったが、テレビがついていてNHKのど自慢をやっている音が流れているので、やめる。
売店でなんか本がないかなと見たら、高橋克彦の怪談集があったので、それを買った。東北東北、と。
のど自慢のゲストは氷川きよしで、そこだけは読書をやめて聴いた。

田園に死す [VHS]

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