前座二題
いまごろBOWWOWにはまったkomugiko00であるが、ちょっと検索するとこのバンドの履歴のところに、デビューまもなく「KISSの来日公演で前座を務めた」ことが出てくる。ニュアンスとしてはプラスのイメージで書いてあるように思う。
もちろん、当時の日本のバンドとして、実力もセールスも第一線だったからこそのことだろうから、プラスの履歴でいいのである。
でも、当時には、そうは受け取られなかったろうな、とも思った。
そうしたら、なんと身近に、そのKISSのライブに行ったという人がいた。
「ばうわうってなにさ? って思った。KISSだけでいいよって」
まあ、そうだろうな。しかも、その人もそうだけど、洋楽ファンはあんまり日本のバンドに興味ない人も多かったから(かく言うkomugiko00も人間椅子の沼に足を取られるまではそうだった)。
椅子以前に好きだったのは、RCサクセション、というより忌野清志郎の声とキャラである。
RCは、ごく若い時期に最初の1曲がヒットして、そのあとしばらく売れないというか干されていたらしい。
その時期には後からデビューした井上陽水の前座をやっていた。ただでさえ前座はなくていい扱いをうけやすいものである。しかも、美しい曲と声、しかも最近でこそ変わったをじさんイメージがあるが当時はわりとかっこよさげだった陽水目当ての客に、歌詞もキャラも歌い方も癖のあるRCが受けるわけがない。ウケないとなったら、よけい露悪的に客のいやがりそうなパフォーマンスをやっちゃう清志郎だったりして、引っ込め的怒号も跳んでかなり荒れたらしい。
そんなことを続けていたあるとき。
RCはCharの前座に呼ばれた。
このときなんと、前座が出る前にCharがステージに出てきて、客に向かって「今からやってくれるのはぼくの大好きなバンドです。聴いてあげてください」と言ったそうだ。
Charのために自分のカネと時間と労力をかけて来ている客だぜ? もちろんちゃんと耳を傾けた。
耳を傾ければ、RCのよさもわかった。
このときから、RCの起死回生が始まった。
んだそうだ。Charかっけー。
余談であるが、今度の人間椅子の青森ライブで、アマチュアの椅子のコピーバンドが前座を務めるそうである。
この話を、上記「ばうわうってなにさ?」の洋楽ファンにしたら、「コピーバンドが前座? へんなの!」と言った。まあ、そうだな。
同じ話をshinbashiにしたら、「おもしろいじゃないか!」と言った。これも、そうだな。
- アーティスト: Kiss
- 出版社/メーカー: Island / Mercury
- 発売日: 1997/09/16
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- アーティスト: BOW WOW
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2006/10/04
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- アーティスト: RCサクセション
- 出版社/メーカー: USMジャパン
- 発売日: 2005/11/23
- メディア: CD
- 購入: 5人 クリック: 28回
- この商品を含むブログ (63件) を見る
- アーティスト: Char
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1994/05/20
- メディア: CD
- クリック: 54回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
- 作者: 連野城太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1989/06
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (17件) を見る