観た!

観客。

「ただならぬ猫たち5人展」

於 玉川高島屋
赤川ボンズ・石渡いくよ・エサシモトコ・高橋操・西誠人



九日、晴れ。shinbashiと出かけた。shinbashiは猫が好きである。
新宿高島屋に慣れた身にすれば、玉川高島屋は空いていて、快適。眺めもいいしね。郊外だ〜。日ごろわりと都心に住んで都心で働いて都心で遊んでいるので、開放感。komugiko00が生まれ育った杉並区や武蔵野市も「郊外」だったと思ったのだが。最近は休日の吉祥寺なんて混みすぎだし。ニコタマはふつーに歩けるね。


というわけで、会場も、鑑賞しやすくかつ寂しくない適度な人口密度。屋上のルーフギャラリーで、屋上庭園に隣接していたりもして、天候もいいことだし、快適な環境。たぶん猫たちにも。


作品は、人形っていうのかな、猫だけど、そういう系。石粉粘土や金属での造形。5人というのは適度な人数で、それぞれの作家の作品の数もそこそこあるので個性もわかるし違いも見えて、面白い。あ〜、タイトルは覚えられないけど。



赤川ボンズ

銅を中心とした金属造形。鍛金のものと、銅線を曲げて平面的な絵にしたもの。
銅線の、散歩中の猫の作品は二人ともお気に入り。ペンや鉛筆の落書き風のタッチが、そのまま銅線になっている感じ。白木の板から少し浮かしてあって、影も面白いし、その影が落ちるあたりに焼いた線が少しつけてあるのもほどよく。
「遊びに来た蛙」という、これだけはタイルとが忘れられない、王冠をかぶった鍛金3Dの蛙が跳ねている、しかも小さくない作品、これをshinbashiが気に入った。ま、猫展なのに蛙だから、っていうこともあるんだとおもう。shinbashiはそういうやつだ。でも、確かに「跳んで」た。
後から見るとバネがついている作品もあり、動かしてみたかったなあ。



石渡いくよ

粘土に縮緬を貼った手法(だと思う)。立体のものと、小さな額に入った半立体の作品とがあった。猫の顔は、ガラスの透明感の眼球を持ったもの系と(そう、猫の目って横から見ると……)、ニコニコ笑って糸の目になっている系と。
旅芸人風やお雛様風など、猫が和装をしており、その衣装や小道具がかなりリアルに作られている。音楽でもテクニカルギタリスト好きの、shibashiの技術屋心をくすぐるらしく、「細かいな〜〜〜」と、顔を近づけてみていた。


エサシトモコ

「komugiko00がいっぱい」とshinbashiがほざく。目つきのワルイ姿勢のワルイ同型の猫がずららららっと並べられている。同じ型から何匹もつくり、違う模様を手描きでつけてある。彩色の実演もあったらしい。プレーンなテラコッタ風、それに白を乗せたもの、リアルな毛並み各種、など。
自分の飼猫の模様を注文もできるらしい。
これは型がいいからできる芸当ですね……ワタシには似てません!


高橋操

shinbashiは写真で高橋作品を見て気に入っていたが、実物は初めて。
「遠目からすぐわかるな」
形も特徴的なのだが、以前ここで書いたように「動き」を感じさせる静止体であり……とか頭の中で説明を試みていたら。「オーラがわかる」とshinbashi。
立体と、額入り半立体。額入りが、小品ながらアイディアがあって動きがあって、お気に入り。題名忘れたが、白地に黒ブチの猫の目つきの悪い顔が好き。shinbashiは「豹柄の猫」の頭がお気に入り。「仮面猫」があった。ををっ、仮面だっ←komugiko00@仮面フェチ ワタクシの人面くんなどと違って、おおらかっす(^^;;
白いボールに猫が縫いこまれたものがあったのだが……じゃれたいっ。


西誠人

リアル猫。木彫に彩色したものだと思うが、形から動きから表情から、「そうそう猫ってこうするよね」という。ちなみにshinbashiは通勤や散歩のついでに路上の猫の写真を撮るのが好きであるが、そういう感じの、「ゆきずり」の猫たちである。
だから正直猫好きからすれば、その時点ですでにヨキカナ、なのであるが、まわりの「状況」も作ってある。塀とか、木とか、壁とか、ソファとかとか。たいていは日常的に、ときに少し非日常に。その「状況の中の猫」が、またリアルな行きずり感。



かなりゆっくり見て、屋上庭園を散歩して、南館でカレーうどん食べて、shinbashiが
「もう一度見る?」と言う。ふーん。「気に入ったの?」と聞くと、「まあ、あの数だから、全部覚えてるけどな」と言いつつ、もう一度見に戻る。
shinbashiは、西作品の黒猫がさっきと逆を向いていたと言い、komugiko00は赤川蛙が逆を向いていたと思った。