観た!

観客。

解説好き


komugiko00はスポーツ自体にあまり興味がないし、勝った負けた誰がヒイキだ、という盛り上がりには引く……と前に書いた。格闘技系は意外と好んで見る方だが、それも「何日何時から何チャンネルで」と覚えていて楽しみにしていて見る、ということはない。
まあ、テレビ自体そういう見方しないんだけど。つけたらやっていたものが面白ければそのまま見る、そうでもなければ見ない。ちゃんと覚えいてみていたのは一時期のオンバトだけかも。
(なので、今話題の先日行われた「例の試合」も、ブログまで書いちゃったが、見たのは「たまたま」である。テレビつけたら試合がはじまるところで、「あ、今日コレか」というノリ。おかげでそのまえにエンエンと続いたという人情話のことは知らずにすんだ)。
で、「面白ければ」の中で、スポーツの順位はそれほど高くない、ということ。女子バレーはわりと好きだが、応援や実況の騒ぎがイヤになってしまって途中でやめることが多い(^^; 音を消して音楽でもかけながら(スポーツニュースに欠かせないサトリアーニとか)、見ればいいと思うのだが、そこまで見たいわけでもない……というところかな。


ところが、スポーツの「解説」はキライじゃなかったりする。だからスポーツニュースは、実際の試合よりも「おもしろければ」の順位が高かったりする。初期の『NANDA!?』なんかは、その時点で「好きな番組」第一位だったのではあるまいか。



shinbashiは「評論」好きである。小説などの文学評論のことであるが。「作品」よりも好きだったりするかもしれないと、本人が言っていたことがある。「おもしろい評論だったら、べつにもとの作品読む必要はない」
じつはこういう人は身の回りに数人いて、文学に関してはなんと言っても「作品」しかおもしろくないと感じるkomugiko00の理解の範囲を超えていた。
が。
スポーツに関しては、まさにその境地。


そのきっかけを作ったのは、堀内恒夫である。
野球、とくに巨人は、べつに関心を持たずに生活していても情報が入ってくる。野球マンガにも出てくるしね。で、もちろん「ホリウチ」といわれれば、「おお」ぐらいに思うのである。
まだ監督をしたりするよりずっと前だ。他に見るものがなかったので、ウチのテレビではたまたま野球の試合が映っていた。「解説はホリウチさんです」というので、「おお」ぐらいに思ってつけておいたのかもしれない。


かなりいいかげんに見ていたのだが、堀内が、こんなことを言った。投手の投球の構成についてである(当時のkomugiko00はそんなこと考えて見ていない)。
曰く、「こういう展開の投球にしちゃうと、次にあそこしか投げるところがなくなって、バッターの方にもそれが読まれてるから、そこに投げて打たれちゃうんですよ」
ト、やや憤慨した口調で(彼の普通なのかもしれないが)言っていた。
ふうん。野球の解説者なんて勝手なことをしゃべってるだけの人ぐらいにしか思ってなかった。
そうしたら、次の一球、ホリウチの言ったコースに言った球種を投げて、きれいに打たれた。
ほおおおおお〜!


見える人には見える。
それ以来、スポーツニュースの解説部分はちょっと見るようになった。実際の試合だと、長いし(^^;、アナウンサーが無駄な盛り上がりでさえぎったり、「勝てますね」とか無意味な決め付けを強要したりするので面倒なの。まとめてリクツこねるコーナーがあるタイプのニュースのほうがすき。
おもしろいもので、そうやって解説を何度も見ていると、ちょっとそのスポーツも「見え」るようになってくる。
もちろんテレビ番組での解説は、komugiko00のようなド素人にわかりやすいように話している。その競技を少しでもやったことのある人にはおなじみの内容もあったりするわけだが、そうであっても、それを「どう」出してくるかがおもしろい。
複数の解説者がちがうことを言うのもおもしろい。複数あることで「切り口」「視点」が見えやすくなるから。
解説エンタテイメントである。


それでやっと、文学評論の面白さも理解できた(^^;
いや、それ以前からおもしろいと思った文学評論もあったんだけど(^^;、komugiko00の中では、小説作品との地位の差が物凄く大きかった。
ひょいっと、間が詰まりましたわ。


「何が見えているのか」
という意味では、創作も評論も変わらないのね。


ちなみに、『NANDA!?』で好きだった企画。いろいろあったのだが、ベスト1はコレである。
野球のシーズンオフに、三人の捕手を呼んできた。古田・城島・谷繁である。
そして、自分が捕手として、理想のチームを編成できるとしたら誰を採るか、というのをやらせる。1ポジションずつ、順番に言っていくのである。カードゲームのように。
もちろん理由を言うところが眼目である。選ばれた選手の特質もわかり、どんなチームを描いているのかも徐々に見えてくる。
もう、下手なサスペンスよりおもしろかったっすよ。
この時点でkomugiko00、古田のことしか知らなかったのだが、城島・谷繁、一辺で覚え、一気に「ファン」っすよ。
いや(^^; べつに彼らだけでなくて、捕手の頭脳構造はああいうものなんだよね。
『NANDA!?』の中でも一段とリクツっぽい企画で、楽しかった〜。


……考えてみれば、城島・谷繁を知らないということは、選ばれる選手のほとんどをその時点で知らなかったはずなのだが、そんなことはまったく気にならなかった。おそらく、その三人が描く各選手像が明確であったため、「知らない気がしなかった」のだろう。


またああいうの見たいな〜。
といいつつ、この番組でさえ「何曜日・何時・何チャンネル」か知らないkomugiko00である(^^;




本←NANDA!

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