観た!

観客。

聴き続けること

最初からそんなつもりだったわけじゃない。もちろん。でも、聴きながら確実に年を重ねたよ、気付けば。


komugiko00に最近椅子モードが全開で戻ってきているのはご覧のとおりである。そうしたらshinbashiがちょっと煽られたらしい(とくに椅子ファンではない)。そして、あの、ほら、一般民衆が動画を勝手にアップしてストックする著作権・肖像権に問題ありの某サイトね、あそこで、人間椅子を検索したそうだ。あ、komugiko00、そういう方向に関心が向かないので、やったことなかったの。けっこうあった、というshinbashiの報告。そうかそうかとkomugiko00もいくつか確認。

翌日shinbashiは、自分の好きなバンドを検索する(てゆうかなんで先に椅子なんだよ。面倒見いいヤツ)。CHASTAINだ。
CHASTAINは、ビデオクリップが二つあっただけだそうだ。「椅子があんなにあったのに、なんでチャスが二つなんだ〜!!」 と嘆く。初代ヴォーカルのレザーが一本、今のヴォーカルのケイト・フレンチが一本あったらしい。「レザーかっこいいぞ〜」とご満悦。



komugiko00「君にとってのCHASTAINってさ、私にとっての人間椅子みたいなものじゃない?」
shinbashi「…………そうかもしれない」



かつて、日本にバンドブームとバブルがいっしょに来ていた頃、世界のロック界がヘヴィメタル色だった頃、CHASTAINのCDも、まあちょっとマニアックなCDショップに行けばならんでいた。
当時shinbashiは、ちょっと目に付いたCDはがんがん買っていた。気付くと、今でも買い続けているのはCHASTAINだけだ。


CHASTAINはアメリカのローカルなバンドである。デヴィッド・T・チャステインというギタリストが、オハイオ州で自分でレーベルを作り、自分で社長になり、自分でCDを出していた。ま、そんなものでもTOKYOの店頭で手に入ったのである。

チャステインは、分類すれば当時流行っていた「ネオクラシカル系速弾きギタリスト」である。でもなんかヘンである。そのヘンさが、われわれにはツボであった。

日本でバンドブームとバブルが去り、人間椅子が「マイナーデビュー」した頃、ま、世界的にもヘヴィメタルとか速弾きとかのブームが去った。

どういう順番だったかなあ……ともかく、CHASTAINのアルバムが出なくなった。デヴィッドやレザーのソロは出ていたが、店頭で買えなくなった。自分のレーベルもつぶれたかで無くなった。ヴォーカル交代した。ジョージア州に拠点を移した……なあんてことがあった。
ちなみにこれは全部shinbashiがCHASTAINの公式サイトのエーゴと戦って入手した情報である。どうすればCD手に入るかと、Davidにメールも出したりしていた。

そして、新ヴォーカルでCHASTAIN復活! やったあ! よく似た「声潰しまくり唸りまくり」の女性ヴォーカルだが、ケイトの方が少しつや消しの感じで、サウンドも全体に微妙にマットな印象に。

ここからまだある。バンド休止。ヴォーカルがマタニティ・ブルー極まって欝に。バンドは彼女を待っていた。そしてまたしても復活!
……この情報も、聴きたい一心のshinbashiが英語と戦って得たもの。

今、CHAASTAINのバンドのアルバムはアマゾンで買える(ケイトになってからのもの)が、DAVID.T.CHASTAIN名義のソロアルバムは、アマゾンで買えるところから発行されず、出るたびに違うところが配信するのでそのたびに登録し……「もうイヤ!」shinbashi談。

なんつーか、komugiko00もそこそこ人間椅子の紆余曲折を追ってきたけれども、これに比べれば手間がかかっておらぬ。日本語ですむし。ライブも行けるし。
komugiko00は、CHASTAINはその、簡単に買えなくなったあたりで離れちゃったんである。

んで、二人で顔を見合わせて、ちと感慨。

sihnbashi「CHASTAINは今ずっとやってるから。やってて、生きてるから、おっかけたいんだよ」

そう、CHASTAINも人間椅子も、今生きてて、やってる。リスナーの「次」の時間に彼らの「次」の作品がある……あるはず。だから「次」も手にしたいのだ、「次」の時間が来たときに。

それをやっていたら、結果的に「聴き続け」てしまったのだ。
あったのは、「今」と「次」だったのだが、ふとふりかえるとそれが、「長い時間」になっていた。

shinbashi「それでさ、CHASTAINはスタイル変えないじゃない。速弾きのメタルが廃れたときも、"CHASTAIN"っていうバンドはずっとそれをやってきた。ソロではちがうこともやっているけど。しかもずっとヘン」
komugiko00「人間椅子も変わらないよ」
shinbashi「うん」


『あれ』が好きだった。新しいアルバムに入っているのは、いくつかの変化がありつつ、『あれ』だ。


あのねえ、komugiko00、人間椅子「やっぱり初期が好き」だったりはするの。一時期「椅子はもうだめかも」とか思ったりしたこともあるの。でも、その後いいアルバムもいい曲もあるの。

いい曲があるから聴くんだよね。いい、っていうのは『あれ』を持ち続けているということ。形や技術だけの問題ではなくて。彼らと出会ったときに『これだ!』と思った『あれ』ね。
shinbashiもkomugiko00も、忠誠を誓うタイプのファンではない。ここまで、結局いろいろなバンドをそぎ落としてきた、いつのまにか。今だってそうだ。人間椅子が『あれ』がなくなったら、聴かなくなるよ、いつでも。それがリスナーとしての表現者への礼儀だ。

ま、ともかく、komugiko00は人間椅子を、shinbashiはCHASTAINを聴きつづけ、買いつづけると思うよ、もうここまで来たら。




……しかし……。昔の、やせている頃の鈴木のライブ映像見て、「違う」と思ってしまった(^^;;; あの顔あの姿は見ていたはずなのに、「なつかしい」とか「若い」とかじゃなくて「違う」って(^^;;; もはや鈴木は太っているものと視覚認識が定着してしまったらしい。『退廃芸術展』の写真を見てショックを受けた日が嘘のようだ。
ま、スキンヘッドにしてから太めが激似合ってるけど。




Sick society

Sick society

Instrumental Variations

Instrumental Variations