観た!

観客。

キングオブコント2010

キングオブコメディおめでとう。


     ◆


さて。
今回のファイナルの面子の中で、komugiko00が個人的に贔屓していたのは、キングオブコメディとしずるであった。


キングオブコメディは、初期オンバトのころから目に留まっていたし、近年ゴールデン適応したのを喜ばしく思っていたわけで。komugiko00はもともとこの世界観というかテイストが好きだったのだが、shinbashiには近年の今野のキャラがつぼのようである。


しずるの方は、最初からshinbashiがお気に入り。komugiko00は、男の芸人が仲良くして女の内なるBLをそそる系のネタに偏見があるので、しずるはうまいところで踏みとどまっているとは思いながらもちょっと斜に構えて見ていた。なのでソレ系じゃないネタのほうが好きだったわけだが…。
数ヶ月前にRED THEATREでやった、部長と部下のコント、あれ一つで評価が跳ね上がった。こういうほめ方もどうかと思うが、「初期のラーメンズみたい!」だったのだ。


で、好きなコンビに優勝してほしいな〜と思うのは当然だが、じゃあどっち? と言われればキングオブコメディである。
もともとアンダーグラウンドな味のある彼らでそこが好きだし、それがゴールデン適応してきたのは応援したいし、「いいと思ったネタ」の積み重ねが多いからね。


だから今回の彼らの結果にはもう何も言うことありません。よくやった&よかったね。
二つ目のネタの最初のほうで高橋が上がっていて噛んでたのではらはらしたが(第一回のときにあの日村さえテンション上がりすぎてたし、たいへんなプレッシャーなのだろうな)、その後うまく行ったし。
ネタの完成度、演じ方のさじ加減、たいへん満足させていただきました。


で、ネタそのもの。


一つ目、誘拐の話。
これはもう今野の騒がしいウザさ、高橋の淡々とした反応、というゴールデン的(?)キンコメ構造を存分に楽しませてくれる。
今野は子供が似合うなあ、こういう子供が(^^;
二つ目の教習所ネタでもそうなのだが、高橋が淡々と困っているようで、けっこうきつい行動に出ているのだが、今野のウザさと高橋の無機質感の対照の中で、それも面白く見えている。


ネタとしては1本目のほうが良くできていたきもする。
でも、2本目は2本目として適切だった。特に、全組終わった最後にやるに適切だった。

あの前のピースのネタがよかったので、キンコメだいじょうぶか? とも思ったのだが…。


最初は、今野がへんな生徒で出てくるのだが、これが1本目の子供よりはちょっとキャラが薄い気がする。(高橋は噛むし(^^;)。しかし、そのあと掛け合いがハイテンポになって客を小刻みに笑わせ、そのあと、あの、バックの「見せ方」。
た〜〜〜〜〜〜っぷりと時間をかけて。
この緩急が「うで」を感じた。
まじめな今野横顔の、爆笑とは違うたまらない可笑しさ、黙って座っている高橋の間の悪い空気感。


まさしくキングオブコメディキングオブコントでした。



     ◆


ほかの面子について。順不同。


【ピース】
三番目に期待していたのがピースだったのだが……ごめんなさいっ、あなたがたをよく知らなかったんですっ! 期待をはるかに上回りました。


一つ目の山姥からもう好きだったけどなあ。
「背中を見せると襲ってしまう」という単純な仕掛けがいい。
山姥と役所の人というシュールと生活感の結合がいい。


二つ目は、最初は同系かと思ったら……いや、同系は同系だけど……帽子…。
すごい(^^
絶賛。


ネタを二つやって評価するという形式を、一番意識してきちんと持ってきたのがピースだったと思う。
二つ目だけでも面白いのだが、一つ目があるから倍おもしろいのだ。


その点では、今回のキングだったと思う。



【しずる】
さて、キンコメの次にわれわれのご贔屓の彼らであるから、期待度も高い。


一つ目のネタ、始まってすぐ、shinbashiが言った。
バナナマンだ〜」「この無国籍具合、バナナマンだ〜」
ん(^^;
なんか設定や絵面がバナナマン、と感じた。例の人質と誘拐犯のネタがよぎったりして。いや、ぱくりとかじゃなくて、同系のセンスを感じたってことね。


このネタはものすごく好きだった。
ネタの練り方、それを生かす演技の呼吸、すげー、キンコメ超えちゃうかも! とうれしいんだかはらはらするんだか。
ラストの落ちも、バナナだったらここでちょっと暗くなるところをラッキー、となるあたりに、「次世代」感あったりして。


で、二つ目なんですが…なんであそこでそのネタだよ!(^^;
M−1の笑い飯のちんポジと同系というか…一つ目があれだったら次は…と見る方がテンション上がってるときに、あれはない。
あれは前に見たことがあるけど…ああいうのは小さいところで仲間内でやると楽しいんだよね(レッドシアターとか)。そういう番組だったら、視聴者も面白いって言うよ。そういう小さいネタなんだよ。でも、ファイナルの2本目は違うだろうと思う。


それだったら、部長と部下をやってほしかったな。
あのネタだったら万が一点が低くても、komugiko00は納得するけど。



ラバーガール
もちろん好みの空気感である。


1つ目の猫カフェは受けた。行きたいかもしれないっ。
ラジコンに乗った猫が出てきて、「いいでしょ?」「ちょっといいと思いました」と、肯定しちゃうところも好き。
ツッコミなら全否定、っていうのとはちがうんだよね。


二つ目は残念ながらちょっとしまらなかったね。



エレキコミック
なんでエレキがいるんだ?(^^; と、ファイナリスト発表の時点で思った。
知り合いにエレキのファンがいるのだが、彼女でさえ、「なんであいつらが〜〜」と言っていた。
いや、shinbashiもkomugiko00もエレキは嫌いじゃない。以下も「基本嫌いじゃない人の発言」だからね。


で、やっぱりダメだったわけだが(^^;、ダメさに問題を感じた。
なんでああいうネタにしたかなあ?
やついからかわいげ消すようなつくりじゃ笑えないでしょう。
やっつんは能天気で勝手で無神経でなくちゃ。少なくとも、「能天気」は残さないと。
おねだり小学生は「でもにくめない」があってのネタなのに、ただのヤなガキだったし。ヘンな顔の親父さんはふつーにかわいそうだし。
エレキのネタあんまり知らないからあんまりいえないんだけど、なんか今回力入れてネタ作っちゃいましたか? って感じでした。


あれだったら、アンジャッシュとかの、「もうよく知ってます、すごく面白いけど新鮮味はありません」っていうネタの方がファイナルにふさわしい…っと、思っちゃった。


己を知ってくだされ。



ジャルジャル
komugiko00はTHE THREE THEATERのファンなので、もちろん彼らにも一定の評価&期待はあった。


そして、これも一本目はすごく面白かった。
shinbashi曰く、「ラーメンズか!」「がんばれ小林賢太郎、抜かれるぞ!」

(……どうでもいいけど、どうしていちいちラーメンズバナナマンが「基準」になるんだよ(^^;)

意表をついた奇声→へんなくしゃみ、から始まってそれが交互に畳み掛けられていくというシンプルな発想なのだが、シンプルなだけに奇声そのものや、タイミングなど、そのあたりの呼吸があってこそのネタ。
絶妙! と思った。



二つ目だが…。
会場の点数は高かったね。shinbashiも評価していた。
んー、「一つの型を抜けて不思議な味を出した」という意味では評価できると思う。
会場=プロの芸人とshinbashiの評価が高かった理由の一つはそれだったと思う。


あと一つは、彼らは男だからね。komugiko00がイヤだと感じた点を感じないからだろう。

言っとくけど、「女はおばさんと言われたくない」というような下等な理由ではない。


あれ、最初はともかく、あとはリアルに怖いよ。
「おばはん」を演じているのが若い男だからまだ見られるが。見ているうちに後藤の衣装の下の、骨格や筋肉が透けて見えた。つまり福徳がちょっと突き当たってもびくともしないし、飛び掛ってきても互角の筋力と反射神経を持っているってこと。
ほんとうの女だったら、体力差の歴然とした相手にあれをやられたら、普通に警戒心を持つ。ちょっと間違えて突き当たられてもこっちだけが飛ばされるからね。
で、相手はそれを知った上で、自分には危険がないことを知った上でやっているわけだ。
非常に微細に心の奥に起きた感情だが、「不快」だった。


こういうことは言うと「ヤボ」「つまらない難癖つける客」といわれそうだから、利口な日本の女は言わないんだよね。
あたしは馬鹿なおばさんだから、言うよ〜。
男たちは、軽自動車でトラックに寄せられる状況が楽しいか想像しろってことだよ。


もしそういう不快感や警戒心まで読んで作ったネタなんだろうかね、ジャルジャルくん。
そうじゃないならただの無神経。


まあ、やりようやキャラによってはまだありかも。
……これをエレキがやればよかったんだよ。
やついの正しい能天気キャラでやるんだったら、まだやりようあったんじゃない? 日村とか。つまり、楽しい「隙」があるなら、まだましってこと。
でも不快なネタだけどね。

あ〜、でも、「誘拐犯の大人の男が誘拐した子供を殴る」シーンを演じて「イヤ」と思わせない芸人もいるのダカラ!



【TKO】
安定して楽しめるんだけど、安定している以上にいかなかったというか。


二つ目が…shinbashiに言わせると、「木下の歌がうますぎる」。
ん。歌がうまくなきゃできないネタ、うまいからこそ生きるネタってあるんだけど、あれはそうじゃなかったと思う。で? ってなっちゃった。


二つ目の点数は高すぎた。「勝たせたあげたい」票が入ったかな、と思った。



【ロッチ】
関係ないが、うちではロッチは「ニセ・ラーメンズ」と愛着を込めて呼ばれている。
もちろん、最初に見た瞬間そう思うわけで。しかもニセ・ウルトラマンやニセ・黄門様と同様に、本物より劣化したルックス(^^;(失礼)。


ネタはぜんぜんちがうけどね、でもこれはこれでおもしろい。


で、今回は、最初の催眠術ネタ、つい「ラーメンズで見たい」って思っちゃった。←ほめことば。
店長さん弁当、好きなネタなんだけどね〜〜〜〜。


でもまあ、あの並びの中では飛びぬけた点数はつかなくて妥当か…。




     ◆


余談。


芸人が投票するという審査方法に異論もあるようだが、komugiko00は今の方法を支持する。
第1回のとき、二組のうちのどっちがよかったかというときに、shinbashiと無邪気に「へえ、芸人が審査するんだ、おもしろいな!」と思ったし。
ただそのとき、「事務所の力関係」とかいうことを考えなかったのは、無邪気すぎたらしいということが、その場でわかった。


第2回以降は、投票形式を変えて、「芸人が審査する」よさを残しながら、力関係は抑えようという工夫をしていて、komugiko00はこれで満足である。
2回目の東京03の2回目の高得点は、「勝たせてあげたい」票も入ったと思っているが、それも含めてアリだと思った。まあ、03が弱小事務所の訳ありトリオだから、保身のためのプラスαではなく、芸人の実感のこもったプラスαだと思ったから。
だから、審査方法は次回もこれで行ってほしい。


ところで、第1回の、バッファロー吾郎バナナマンだが。
komugiko00ははっきりバナナマンのファンだが、あれは「バッファロー吾郎が一位」と思っていた。投票方法はなんだったが、結果はあれでよいと思っている。