観た!

観客。

力持ちの巨人

komugiko00の幼いころである。
母がこんな話をした。


「とっても大きくて力持ちの巨人がいたの。強くて大きいんだけど、心が優しくて、赤ちゃんが大好きで、だっこしてあやしてあげたいって思うんだけど、力が強すぎて、触ると赤ちゃんが死んじゃうのよ」
かわいそうな巨人、とうるうるせんばかりである。

娘は一瞬眉をひそめ、それからこう言った。
「それちょっとおかしいよね。力が弱い人がそれ以上の力を出すことはできないけど、力が強い人が、そっと触ることはできるんじゃないの?」


無神経な母とリクツっぽい娘。
どちらも感受性は豊からしいが、前者は感情を垂れ流し、後者は感情を防備する。


ま、防備だけじゃなくてふつーに、リクツが通らないのは居心地悪いってのもほんとなんだけどね。