雪の日の靴
今日は東京に雪が降った。
積雪３センチの予報だったが、余分に雪が降ったときのことを考えて、トレッキングシューズを履いていった。
昔は東京近郊の山に登ったりもしたものだが、もう何年もヤマと名のつくところを歩いていないが、ハイカットのトレッキングシューズは常備している。台風や雪のときにでかけなければならないことはあるでしょ？ そのときに履く。
歩きやすい。滑らない。水をはじく。通気性がよい。理想的。
ちょっとごついけど、まあ、ファッションに見えなくも無いでしょ、最近なら。（それにまあ……天候にそぐわない華奢な靴を履いて、滑ったり、蟹股や内股でもたもた歩いたりするのは、私の価値観からすると、美しくないのだ。だいじょうぶな靴で、しゃんと歩くほうが、見た目的にもかっこいいという主観）。
何年か前に、１１月末〜１２月はじめに青森県に行ったことがある。
そのときは普通のブーツを履いていて、雪で少々困った。まあ、移動はほとんど車だったから、少々だったのだが。
ちょっと時間があまって、ふらっと靴屋に入った。
東京の店先と同じような、女性用の町履きのブーツが並んでいる。その一足を手に取ったとき、わかった！
そうか、これだっただのか。
東京の雪がテレビで報道されると、転んでいる人々を見て、雪国の人は歩き方が下手だと笑うという話は聴いていた。まあ、慣れがちかうからね、それは本当なのだろう。
でも、靴もちがったのだ。
普通のおしゃれなブーツなのに、底がギザギザのゴムだったのだ。
東京で売っているのは大方がツルツルである。
komugiko00はツルツルの底が嫌いなので、少しでも刻みの入っているものをえらぶが、青森で売っていたのは、くっきりはっきりギザギザだったのだ。
そうだよな、やっぱり靴がちがうんだよな。
で、東京ではそういう靴はふつうには手に入らないので、少々の思案の後、トレッキングシューズを買ったのだった。そういえば以前冬の北陸を旅したときは、簡単なスノーブーツを履いていたっけ、とも思い出して。
今日はそれを履いていったわけ。東京の雪はたいてい余り積もらないで雨に変わるが、少し積もってから寄るあめになると、凍っちゃったりしてすべるのである。だから、トレッキングシューズである。
そういえば、母方の祖父が昔、どんな女性が好みですかときかれて、
「しっかりした靴を履いた女」
と答えたそうだ。
祖母は早くに亡くなったし、残っている写真は和服ばかりなので、「しっかりした靴」を履いていたかどうかは知らないが、伝え聞く人柄からは、そういうタイプのように思える。
遺伝かな。
