観た!

観客。

亀田と18歳たち

この話題は触れる価値無いと思っていたのだが、亀田に価値は無くても、身近に価値ある声を聞いたので、書いておきたい。


内藤との試合の直後、数人の18歳たちと、亀田のことを話す機会があった。それぞれ大キと同い年ということで思うところはあるようだった。

最初に1年のライセンス停止は長いかどうか、ということを話した。

一人はこういった。妥当だとは思う。1年は長いというが、10年たっても今の内藤より若い。でも、父親にもっと厳しくして、本人は今回はもう少し緩くして、そのかわり次は即ライセンス停止という条件をつけるのがいいと思う。なぜなら、子供のころから父親だけを基準に生きてきたからああなったのだから、ここで違う世界に出して、自分でやるチャンスをやればいい。

一人はこう言った。1年が長いというのは、元選手だった人たちの意見で、それは自分は選手ではないからわからない。ただ、1年が長い短いというのは、最初から大キがボクシングを続けるという前提で話されている。そうではなくて、ここで、ボクシングを選ぶのかどうか、ちゃんと本人が考えた方がいい。自分でボクシングがやりたいと思ったわけではなく、子供のころから父親にそう決められてきたのだから。ここでまず自分で考えることをして、ボクシングをすると選択するなら、一番いいトレーニング方法を選べばいいし、そうでないなら高校に行くなり、ほかの仕事をするなりすればいい。

どちらの意見にもほほうと思ったが、特に二人目の意見、18歳の品格というか。こういう見識のある大人は大ちゃんのまわりにはいないのだろうか。


二人とも「18」という視点のリアリティを持っているなあと思ったのは、親の影響についての認識だ。
彼らは言う。現在18歳であるということは、いままでの18年は、親の価値観、親の方針のもとにいる「子供」だった。それ以外の世界を知ったり行ったりするのは難しかった。だが一方、今はもう自分の考えや判断や意見を持てる年齢なのである。

だから彼らは、大キの「これまで」をおもんぱかりつつ、彼の「今」と「今後」については「自分でできるはず」と言うわけだ。


そしてまず、自分がほんとうにボクシングをやりたいのかどうか、ゼロから考えてみるべきだと。彼はそれをしたことがないのだろうからと。
そうだなあ。子供のころから父親がそう言い続け、今度の問題では、大人の「コメンテーター」たちが、意見はさまざまあれみんなが「ボクシングを続ける前提」で話している。
誰も彼にとってそれが一番言い選択なのかどうか考えない。
ある意味当然だ。18歳だろうと彼は「プロ」なのだから、周囲は「客」の目からみているわけだから。


三人目の18歳はこう言った。
komugiko00は見なかったが、謝罪会見を見たそうだ。大キが一言もしゃべらず、会長か誰かが「未成年なので質問はしないで」というようなことを言ったことを非常に怒っていた。
18歳なら自分の言葉があるはず。落ち込んでもパニックになっても、それはそれなりの自分の言葉があるのだ! 
ちゃんと場を設けてもらって、人を集めて、それでいてそういう「逃げ」の打ち方を、「18歳」に対して失礼だと思ったようだ。


それと同時に、彼らは言う。亀田史郎氏は、少なくともこの1年間、ボクシングを離れて、ちゃんと「お父さん」をやるべきだと。
「目上への言葉遣い」とか「礼儀」とか、そんなことを彼らは言っているのではない。ボクシングという目的抜きで、ただ親として「子供で向き合う」ということをしてほしいと言うのだ。


内藤は、「自分が18のときにはもっとガキだった」とフォローしてあげていたようだが、どうだろう、この「18歳」たちは。
自立できる年齢である18歳としての自覚がありつつ、同時に子供としてのナイーブさを持ち合わせている。
3人とも、何かの一流なわけでもなんでもない「ふつーの」18歳である。


すばらしい。
この世も捨てたモンじゃないと思った(←おおげさ?)



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以下余談。

テリー伊藤はいつもわりといい意見を言うと思っていたのだが、こないだはちょっとあきれた。
「大キは内藤と2時間でも3時間でもゆっくり話させてもらうといい。内藤は人間的にも立派な人だから、いい影響を受けられると思う」
はあ?
どうして内藤さんが亀田にそんな手間隙かけてあげなきゃいけないんですか? 対等な対戦相手でしょ?
ちょっとびっくりした。
上記3人の言葉を聴いたあとだっただけに。


またしても余計な話。

ガッツ石松はじつは頭がいいという話は前から聞いていたが、そうだなあと思った。
3人の元世界チャンピオンが亀田の話をしているのを真ん中だけ見たのだ(テレビつけたらやっていたので、ちょっとみて、すぐチャンネル変えたので)。
輪島は生涯一ボクサーな感じ。薬師寺はバカか利口のどっちかで、ガッツの的確な指摘の矛先をそらしてばかりいた。

ちなみに、ガッツの発言のまとめをどっかのニュースサイトで見たが、まとめ方が間違っていた。ガッツがこう言ったことになっている。「この間の会見は、誰に何を謝っているのかわからない。報告しただけ」。ちがう。ガッツが言ったのは前半だけ。「報告しただけ」というのは輪島の合いの手で、ガッツはうなずいていなかった。ん。報告にもなってないし。ガッツの指摘は簡にして要といえよう。

また、こんな会話も。
薬師寺「会見の態度が、以前とまったく変わっていましたね」
ガッツ「360度変わってたな」
薬師寺「180度でしょう!」
まあ、ガッツの伝説のボケだが、この場合360度が正しい。

とかね。


三人の18歳の次に聡明で品格があるのはガッツかも。



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ちなみにshinbashiはこういっている。
「カメダのことはどうでもいいんだ、もとから嫌いだし。でも、あれだけもてはやしておいて、今度は一気に叩くメディアと大衆がイヤ」
うん。