観た!

観客。

夜叉+人間椅子 高円寺Show Boat


夢魔の肖像」
と銘打ったライブ。Show Boatの14周年を祝って。

高円寺は1年ぶりだ。去年はともだちのともだちの個展のオープニングパーティに来たんだった。
komugiko00@杉並区中央沿線原産であるが、そのなかでは高円寺は子供のころはなじみがない。高校からだね。まったりした杉並の中では微妙にROCKな町なのだな。


この日行ったのはもちろん椅子目当てだが、初夜叉も楽しみにして行った。
昨年12月、komugiko00が行きそこなった横浜メタル地獄について、アンテナ立てさせていただいているブログの記述があった。「ヘビメタさんが来たりてヘヴィメタる」さんの記事。
これを読んで、次に椅子が夜叉と組むときは行ってみよう、と思ったわけだ。そうしたら約半年後にみごとに二つで。
なので行ったわけ。
いいね、この組み合わせ。ワンマンがもちろんベストだけど、またこの二組でやったらうれしいなあ。

このところのkomugiko00の強化週間だったのはKING CRIMSONの"THRAK"で、ちょっとオトナにたゆたう感じだったのだが、そこにガーンと体当たりしてきたのが、まっとうにハードでスラッシュな夜叉。
事前情報どおりの感触。ヴォーカルが高めの渋さでいい感じ。歌詞がよく聞こえないからいいのかもしれないが――おっと、失礼。komgiko00は「歌詞というもの」一般に不信感があるので、夜叉に他意はない。「声」が楽器としてだけ機能するライブは好きさ。あ、人間椅子は例外ね。和嶋のせいで――伸び、つぶし方、好きかも。
ギターがね、なんか入ってくるたびに「あれ?」って思う。いや、おかしいとかじゃなくて、「音」の印象が。全体のガシガシさに対してものすごくクリスタルな(?)音色でひょい〜と入ってきて。こう、熱い液体に一部冷たい部分がある、みたいな、ある種の思いがけなさ、異質さ。それに触れた瞬間みたいな「驚き」が最初にあって、それが他の曲でも数回あった。もうわかってる音なのにね。んー、……たぶんだけど、komugiko00はあのギターわりと好きだな。

ワンマンに行きたいという衝動を覚えるまでではなかったが、椅子とのタッグ、大歓迎。

あとで鈴木も言ってたが、MCも面白い。
夜叉と人間椅子を「ヤクザ対妖怪」と言っていた(見た目がね。ヴォーカルがグラハム・ボネットと杯交わした仲みたいな)。
んで、「こっちが負けるだろう、やつらにはガンが効かない。銀の弾は用意しているか。いや、あいつらは日本の妖怪だ……まんじゅうならいいのか? そこらの店で売ってるだろう。みんなで投げるんだ」
そんなことしたら褌和尚が全部食べてまたふとっちゃいますよ、と思った。


さて、それからお待ちかね人間椅子
ふじつぼ人間、品川心中という並びは昨年以来の踏襲であります。和嶋の落語は相変わらずだが、時事ネタ入れたり、ちょっと慣れてきたかな。
新曲『転落の楽典』は、ナカジマノブが鈴木に2バスの曲を作れと「クライアントのように注文を出」して出来上がった曲らしい。中間部これ見よがしに12121212。
今回聞けてうれしかったのは『黒猫』。CDではそんなに好んで聞くわけではないのだが、あの「ピタッ」が、ライブの轟音だと一段と好きなのだ。音もいいし、パフォーマンスもかっこいいし、客もメタルな「だるまさんがころんだ」みたいだし。
終わって和嶋が、「こういうくら〜い曲のあとは、ノブの明るい声が聞きなくなります」
え〜。いや、人間椅子で一番伸びのあるヴォーカリスト・ノブの歌は好きなんだよ。ただ。
ええ〜〜、重い曲連鎖はぁぁぁ???
とは思ってしまったよね、条件反射でね(^^; まあ、この日はしょうがない。ワンマンのときにね。


ねぷた祭りの話をするから、『屋根裏部屋のねぷた祭』かと思ったら、『どだればち』。
ほんものへの思いが強いとできないのかもね。もちろんどだればちも歓迎。

岩木山を思い浮かべながら聞いてください」と鈴木。
ん。komugiko00、弘前に行ったことがある。仕事込みなので街中にいただけだが。そのときに、道を歩きながらふつうに岩木山が見えた。あの、『りんごの泪』『どだればち』で知っている山、komugiko00にとっては「歌枕」である山である。それが、見ようとも意識しないのに、ふつうに見えちゃった。
「ああ、街中からこんなふうに見えるんだ」
と感動したら、同行の弘前人に、「見えますよ?」と不思議そうな顔をされた。
関東平野の真ん中に生まれ育つと、「山」というのは、こんなふうに近くに見えないものだよ。遠見でも、23区内では普通路上からは見えないものなのだよ。
その、路上からふつーに見える岩木山を思い浮かべながら聴きましたよ。

研ちゃんは、ねぷた前夜である31日はほんとうは弘前に帰りたかったらしい。まじで帰りたかった感が伝わりました。
それなのにkomugiko00の故郷で雨の中配達ごくろうさまです。ライブをやってくれてうれしかったです。


ところで、人間椅子になってから「間」を感じた。演奏もないしゃべりもない時間ね。そうか、夜叉はヴォーカルがずっとおもしろいトークをしているからね。この「間」が人間椅子だなあ。ノブもすっかり慣れて黙っていられるようになったし(^^; 重い曲連鎖とともにこの「間」もたっぷり堪能したいワンマンは9月。


『発射』は好きな曲。
歌詞は半端なんだよな(^^;もっと即物的な方が好きだが、まあべつにいいし、ライブなので、曲だけ楽しい。
鈴木がステージ先方のお立ち台(?)に出てくると、客がざああああ!!と群がる。卵子を目指す精子たちのように(逆だって? いいの)。


ここで本編終了。
アンコールに出てきた鈴木は墨染めはとっているが、白衣はお行儀よく着ている。はだけて褌見せたりしていない。夜叉もいるので礼節を保っているのだろう。
とはいえ一曲目は椅子だけ。『りんごの泪』。
そのあと夜叉のメンバーを一人一人コールして、一人一人コメントして、2バンドで『針の山』。大騒ぎ。豪華だ〜〜。これはいいわ。


楽しくおうちにかえりましたとさ。

あ、どこでだったかな。妖怪談義のところかな。
ノブ「研ちゃんはあと100年ぐらい生きそうだよね」
鈴木「ぼくはこう見えても病弱で」
ノブ「和嶋君はもう100年ぐらい生きてそうだよね」
うん。



やったと思う曲(順不同不正確不完全)
恐怖!ふじつぼ人間
品川心中
転落の楽典
黒猫
道程
恋は三角木馬の上で
どだればち
愛の言葉を数えよう
発射

りんごの泪
針の山