観た!

観客。

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あれから、BOWWOWとVOWWOWとBOWWOWを聴いた。

先日の横浜ライブでいきなりBOWWOWかっけー!と盛り上がってしまったからだが。
komugiko00、ライブに行ってよかった場合しばらくは、そのバンドの録音が聴けないのがふつうである。なので今回も直後はRAINBOWばかり聴いていたわけである。


そしてそのあと、古い記憶のホコリを払うように、3枚聴いた。
まず、今のBOWWOWのライブでいいと思ったわけだからと、一番新しいアルバムを入手してみた。
ん、いいじゃん、壮快なハードロックですね。ライブの余波もあってか、けっこう楽しんだ。
3日ぐらいして、ちょっと飽きはじめた。ヴォーカルから飽きはじめた。そうか。昔の山本のヴォーカル聞いたはずなのに忘れていたのは、こういうわけだ。んー、komugiko00、年をとって丸くなった今だから、ギタリストの余芸と思って聞いているから、「わりとうまいじゃん」ぐらいの寛容な態度なのであって、若いころだったら、このヴォーカルは「却下」だったな。だから記憶の奥に沈んだのだろう。
ハードロックはその音調に見合った声量・声域のあるヴォーカルであってほしい、というのが基本だから(だから、若いころは、そうでないとイヤだったのだ。今となっては、人間椅子は別、なせいでか、ほかのヴォーカルにも寛容に)。


んで、それじゃあいいヴォーカルを加入させたと記憶している、VOW WOWの方に。
をを、これは音が厚い、と感じる。まずキーボード入ってるし、全体がいかにも80年代らしい厚い音になっている。人見の歌は日本人のロックヴォーカルとしては確かに逸品。んー、日本のバンド、どうしてもヴォーカルが、代々肉食ってきた人々に胸板で負けてるみたいなところあるから。でも人見たいへん健闘。当時は特に思わなかったけど、ちょっと(WHITE SNAKE時の)カバっぽい。
このときはキーボードが正規メンバーにいる。
shinbashiは、キーボードのあるバンドの方が奥行きがあって好きだそうであるが、komugiko00はあまりキーボードがないほうが好きだ。ギターとベースとドラムだけで、硬質な格子状に仕上がったようなすかすかな感じが好き。キーボードはいると、その格子に障子紙やシェードが張られて光が和らいだようになるんだよね。(……といいつつ、shinbashiは初期サバスも好きだしkomugiko00もRAINBOWが好きなんだからたいしたこだわりではないか(^^;)。


で、一番古くホコリが厚く、キーボードがないのが基本だったと記憶している、最初のBow Wowへ。

かっけー、スマートなハードロック。リフがいいのもあるし。
「まんざら知らない仲じゃなし」だな。気持ちいい。マイナースケールでも乾いて陽性……まあ、それがこれ以上距離がつまらないゆえんなわけだが。
ウォーキングとかの時にいいかも。
それにまあ……ある種「懐かしい」よな。昔聞いたからということではなくて、音そのものが、ああ、あのころの、日本のハードロックの草分け的な。現代史的な。


ここまで聞いてだいぶ落ち着く&ちょっと飽きてきた(あ、この「飽きた」は、古語の「飽く」に近いかも。「飽和した」感じ)。
あの夜のライブの魔法も解けてきた。ライブはよかったな、すごいよかったな。


shinbashi「ライブのDVD買ったら?」
曰く、山本恭司は、馬のいななきのような「なき」以外に、自分の特徴となるワザやフレーズを持っているわけじゃない。でもなんだかかっこいい。そういうタイプだから、録音は「ふつー」で、ライブのステージングこそかっこいいのである。

うむ。
タメタメナキナキのギターを楽しむなら確かにそうかも。
それにライブには魔法があるから。バンドの「密度」とあの日に書いたけど、客との「空気」というのもある。
この「空気」って、必ずしも物理的にいい演奏だから生じるというものでもない。それとはべつの……人間ってやはり「気配」があるんだよね。


……そうねえ。去年30周年だったDVDも出ているから、それ買ってもいいけど……。DVDは音楽的「密度」は見せてくれるけど、「空気」は見えない。
一夜魔法を感じたら、その記憶だけでいい、という考え方わりとするけど。


それともやはりほんとの生に行くか……。
単独に行くほど好きなバンドなのかと疑問を感じつつ、「まんざら知らない仲じゃなし」に再会して、ほだされたかなあとも思いつつ。


※ちなみに。その後もつい聞くのは一番新しい"ERA"だったりする。



ERA

ERA

III

III

SIGNAL FIRE(紙ジャケット仕様)

SIGNAL FIRE(紙ジャケット仕様)