観た!

観客。

「赤ちゃんポスト」


初めて使用され、それが3〜4歳の子供で、「おとうさんときた」と言っているという。
そういうニュースなのに、相変わらず報道の説明は、「カメラではあかちゃんと『おかあさんの』手元だけが映るようになっています」と言っていた。



じつは、このシステムの当初からくりかえされる「おかあさん」が少し気になっていた。なぜ「母親」だけが利用すると決めているのだろうと。
養護施設にいる「片親」の子供のうち、「父親のいる」子供のほうが、「母親のいる」子供よりはるかに%が多いのだというデータを見たことがある。


だとすれば、父親が使うことも当然前提になるだろうし、今回のようなケースだって予測されて当然だと思う。


当然それは想定されていたのだと思う。このシステムを設置した=現状を良く知っている人々においては――といいたいが、ポストの中には「お母さんへ」という手紙を用意していたわけで、病院もやはりそれしか考えていなかったのか。まあ産院だし、数の上ではその可能性が高いと踏んだのだろうが、これにもちょっと違和感があるな。


報道でも仕切りと「おかあさん」と言っていたのは、ある種の「わかりやすさ」のためかもしれない。 しかし、実際には不正確だし、偏った印象を世間に与えたかもしれない。


さらに、離婚後、養育費をちゃんと払っている父親の%もものすごく低い。


このようなことを考え合わせて、ちゃんと父親しない男が一定数いるわけだ。「おかあさん」が「やむをえず」預けに来る場合だって、背後にはそういう男がいる%が、これまた一定率あると簡単に想像できる。

あるいは、さらに子供の両親の家族たちだっているかもしれない。


報道はもっとここを意識すべきではないのか? 赤ん坊をあずけにくるのは、誰でもある可能性がある。それをあいかわらず「おかあさんが」という説明を続けているのは、なんで?
いや、あえてそうする意味があるならいいけど。でも、それがむしを問題の実像を見えにくくする、一定の覗き穴からしか見せないことになりゃしませんかね、と思うわけで。


安倍くんはじめ政治家も「あってはならないこと」と繰り返すならば、問題の背景に触れようとしてはどうかね。