観た!

観客。

藤枝梅安

池波正太郎仕掛人藤枝梅安』の梅安である。
岸谷吾朗がやっていたのを見た。悪くない。古くは緒方拳がやった。これも悪くなかった。悪くないというより、どちらも「よい」と言ったほうがいいかもしれない。

ただ、原作小説を読んだときのイメージだと、その配役を聞いたときに、とりあえず「ちがう」と思うのだ。
見た目が。

梅安はまずでかい。太め。少し茫洋として女好き。それで、殺しのときだけ、一瞬、怖い。

緒方や岸谷が「よい」のは、梅安の中にあるある種の精神性を体現している感じがするからである。
でも、素材はやっぱりちがうよね。

でかくて茫洋として女好きの梅安……誰かいないかなあ……と、例によってshinbashiと話す。


komugiko00案その一。鈴木研一。演技ができるかは置いといて(^^;、ルックス。ステージ上のね。いや、坊主にしてから、ときどき梅安みたい、と思っていたのさ。
まずあれくらいのでかさはほしいよな、縦もヨコも。ぼうようもよし。普段の梅安があのまったりしたMC口調で話すのは似合うと思う。女好きは……ま、そこそこね。
「研ちゃんは怖くなれないだろう」と言うのはshinbashi。んー、まあね。



「女好き」にはいくつかタイプがある。女好きであることがちょっとした色っぽさになる女好きというのが存在し(まあそうじゃないとかっこよくないけど)、もちろん梅安はそのタイプである。太めもぼーよーも、そこはかとなく色気を漂わせていなければならない。


そういう意味ではステージの鈴木はいいと思ったんだけど、もう一人いた。演技力保障付き。

komugiko00「ちょっと美形だけど」
shinbashi「美形だっていいよ。醜男とは書いてなかったろ」


浅野忠信。もうちょっと年行ったらね。
でかい。太らなくても、あれくらい体と「感じ」がでかければいいと思う。ぼーよーもできる。怖くもなれる。もちろん色気はそこはかとなくから全開まで調整可能。


ということで、浅野忠信暫定一位。



追記:
翌日、shinbashiは、「浅野はやっぱりきれいすぎる」と言い出す。おまえが美形でもいいって言ったんじゃないか、と言い返す。やつは代案を持っていた。
荒川良々はどうだ?」
ほう。
「そもそもの、『でかくて茫洋とした』っていうのにはあってるだろう」
そのとおりだ。若すぎて思い当たらなかった。

shinbashi「でも、怖くなれるかな」
komugiok00「なれるよ、あれは」
S「すると元締めはだれだ?」
K「それは(笑)、松尾スズキでいいじゃないか、ぴったりだ」
S「じゃあクドカンは?」
K「クドカンはいかようにも使い方が……」

ん? それでは大人計画仕掛人になってしまうでわないくゎ。それはちょっとなあ……(^^;

ま、そういうわけで、荒川良々(ふけてからね)暫定一位。






新装版・殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一) (講談社文庫)

新装版・殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一) (講談社文庫)