観た!

観客。

Spicy Flower 〜バナナマンライブ 

於 俳優座劇場


「左フックはほんとに幻にしちまったのかよお!」
ト、胸倉をつかむ。
↑komugiko00の偽らざる心境であることは最初に書いておく。


昨年に続いて、こなれた楽しさ。
8月はバナナマンなんだよ。今年はたまたま楽日に行って(バナナマンの楽は初めて)、本人たちも「終わった」ってちょっと思いいれあるエンディングトークだったりして、これからも「8月のバナナマン」はちゃんと観られるんだな、と思い、左フックを惜しみながらも、来年もきっと来ると思った。
最近テレビでも見られるようになり、本人たちもテレビ慣れし、テレビの方も彼らの扱いがわかってきたかんじもするけれども、それはそれでうれしいけれども、「バナナマンはライブが一番」でありつづけてほしいと思う。


はーい、こっからネタばれ




-uneducated
日村一人で一輪車を持って佇む。
もしかして乗れる可能性も、と思ったけど、アコーディオンの前例があるからね、乗れない予想は大きかったよ。基本、「常識的な発想を裏切っていく」バナナマンのスタイルでありながら、裏切りきれてなかった。クマも設楽じゃないと読めたし。
日村の「力」で楽しく見せるコントだね。
日村の知り合い、「小林さん」って言わなかった? とかどーでもいいところに反応しちゃった。


-a shocking move
もしかしてこれが一番好きだったかな、今回。日村の引越しを設楽が手伝っているシチュエーション。初めての引越しでテンションあがっている日村だが、だんだん不備が見えてくる。
うれしくて騒ぎすぎて、いきなり隣の住人に怒られる(怒られたあとの日村のカオがミモのである)。トイレの水圧が弱く、台所の水道は異常に強い。窓を開けたらすぐ墓場で、手を伸ばせば触れる(^^;……と、どんどん危なそうな方向に。
このへんの崩し方、さすがバナナマン。んで、墓に触れちゃうばかばかしさもさすがバナナマン。ハイテンションもローテンションも、さすがバナナマン
すっごくおもしろかったけど、構造自体に「仕掛け」がなかった。仕掛けがないということは、ある意味、「見方」「世界観が」がないということだ。
かの『ルス電』や『うまい粉』にはあったもの。
日常が世界でいいじゃないか、という見方になったのかね。
左フックは封印したのか失ったのか。1公演に1ネタぐらいみせてみろうら(設楽の不良風に)。

-ギリギリセーフ
以前あった「ドッキリ」と似た関係設定。なんかこれって、この二人の普段をデフォルメしてるんじゃないかと思っちゃうぐらいはまる。設楽の演じるこういう人物、好きである。
たとえば、日村に馬券を買ってきてと頼まれて、買ってきたけど番号が違う。日村が風邪のときに「ポカリスエット買ってきた」と言ってアクエリアスを置いていく……。そのたびに日村ががまんならない……。komugiko00、基本的に設楽、部分的に日村な性格かも(^^;
ポカリとアクエリアスのところは実にリアリティあったし、「見方」さえあったかも。


-SKYDIVING
バラエティでスカイダイビングしてたのを見た。転んでも(?)タダでは起きない。しかも例の不良シリーズ。設楽本物にしか見えない。この芸もバラエティで発揮させてもらっていたけど、この舞台のシリーズがかわいい。



-赤えんぴつ
どんどん明るく毒がなくなっていく赤えんぴつ。おーちゃんに子供ができて久しいからね。でも、赤えんぴつが歌えば赤えんぴつの歌だだよね(byひーとん)。
ってことで(?)、曲は力入ってた(^^; 歌詞は最近のあまずっぱ系だけど、作曲が、ハモリとか微妙な転調とか。で、よかったです。
でも、『おかあさん』とか好きなkomugiko00なんですけどねえ。あれは人間椅子の鈴木のスラッシュに匹敵する歌だと思うぞ(褒め言葉に聞こえる人口はどれくらいだろう)。
「うちのヴォーカル」の危ない感も薄かったし。
暗くて危ない赤えんぴつの左フック切望。


-No Clue
小説家設楽と編集者日村。SF小説家なのに恋愛小説を書くと言い出し、宣伝打ったのにかけてない設楽と、書かせようとする日村。設楽は逃げようとしてちゃらんぽらんだし、日村は一生懸命だし。
これも設楽のちゃらんぽらんさがよい。



んーーーー。
全体にね。バナナマンぐらいの後者になれば、舞台に立ってしゃべったり動いたりしていれば、もうおもしろいし見る価値はあるのだよ。練習もしてあったよ。
エンディングトークもいつもナチュラルで好感が持てる。
お客さんがいっぱい来てくれて、「おれたちってすげえ」と喜ぶ設楽もかわいい。
すげえんえんだよ。だからすげえものを見せてね。来年も来るけど。来るけど、年々「左フックは?」って思わせないでね。
昔と同じことを見せろというわけではないよ。新しい、でもフック系が観たいんですけど。


そういう意味では(?)、映像ネタはよかった。あれは、ある意味ぶっつけのよさがあるからね。オムライス最高。やってる日村ももちろんいいが、見てる設楽が見もの。
んー、がっちりしたコントの間にああいうのが挟まってたら理想的。

それから毎度のことだけど、今年特に思ったのは、オープニング曲がよかった(「行けバナナ」作曲星野源・演奏SAKEROCK